vol.18:デジカメ FinePix4500

今、カメラマンどうし最大の話題はデジタル

「納品の七割はデータで渡している」「ニコンD1−Xは買いだ」「いやコダックのDCSだ」「ニコンの新しいスキャナーを買った」。

デジタルを始めているものと、そうでない者との差がだんだん開きつつあります。

僕? 当然ぜんぜんわからない者の一人です。

持っているのは、PCがi−MACとバイオノート。フォトショップは、ちょっとだけいじれます。プリンターはエプソンPM3000Cと720C、スキャナーもエプソンの一番安いやつ。と、こんなところです。

これからを生きるカメラマンとしては、はなはだ心細い限り。

フジFinePix4500

デジタル音痴だった僕がはじめて買ったデジタルカメラ。

横8.5cm縦7cmの外寸は掌の大きさとぴったり一緒。幅も3cmないのでポケットにすっぽり収まります。レンズ一体式1眼レフタイプの、オリンパスかキャノンとも考えていたのですが、実際触ってみると重いし大き過ぎました。そこで普段持ち歩いているリコーGR1の代わりにとファインピックスを選びました。

大きな決め手はインターフェイスの良さ。マニュアルを見なくても操作のおおよその見当がつきます。面白いのはサンヨーやシャープが作るとデジカメも家電製品のようになり、ソニーが作るとデジタル端末に、キャノンやオリンパスが作ると銀塩カメラと同じような作りになっています。フジはフィルムメーカーでもあり、渋いカメラメーカーでもあるため、デジカメ音痴の僕にも馴染みやすかったのでしょう。

とっても調子がいいです。小さくてどこへでも持っていけるし、フィルム代はいらないし、写りも上々です。スイッチを入れてから撮影できるまでの時間はGR1よりも短いくらい。使い始める前は「A4に伸ばしたときの粒状性が」、などと考えていたのですが、「デジカメはモニター越しが一番なじむ」ということに気がつきました。プリントで大伸ばしを考えないのなら、ファインモードではなく、量が撮れるノーマルモードで充分です。連続でシャッターを切って、付属のビュワーでスライドショーにして見ると、まるで紙芝居を見ているようです。シャッターのタイムラグが気になりますが、これはこんなものとあきらめています。

ファインピックスは動画も撮れます。最大でも数十秒ですが、音も入ります。音が入るというのは新鮮でした。カクカクとスムーズに動かない動画は、昔見た>8ミリフィルムを思い出させ、とっても気に入りました。ビデオは嫌いですが、これは楽しい。

家のリビングにはポラロイドの680、チェキ、GR1、オリンパスペンFTがいつも置いてあり、夕食のメニューや子供の変化、庭の様子などを撮っています。特にポラは結果がすぐ分かるし、余白にコメントや日付を書き込めるため重宝していました。

ところがそれがデジカメへと取って代わったのです。フィルム代の心配もないし(ポラロイドは1枚あたり100円近くします)整理もパソコンに日付順に放り込んでタイトルをつけるだけ。プリントも1枚から簡単にできます。ほぼ理想的。動画もファイルで保存できるからビデオテープだらけになることもなし。

自分の住んでいる町を記録しようとライカやGR1を持ち出していたけれど、記録にこだわるならデジタルのほうがいいようです。ライカだと構図とか決めようとしてしまいがちですが、デジカメならどんどんシャッターを切っていけます。結果、資料としては重要なものが残る気がします。保存も楽だし。

食わず嫌いのデジカメでしたが、うまく付き合っていけそうです。

ただ、物としての面白みに欠けるのが残念ですが… 。